20世紀、東南アジアを揺るがした数々の出来事の一つに、インドネシアで1965年に発生した「9・30事件」があります。この事件は、当時のインドネシア共産党(PKI)に対する軍部の弾圧と、スハルト将軍による権力掌握の契機となりました。一見、単純なクーデターに見えますが、その背景には複雑に絡み合った政治的、経済的な要因が存在 …
18世紀のエチオピアは、政治的な混乱と宗教的対立が渦巻く時代でした。当時のエチオピア帝国は、様々な民族や宗教が共存する複雑な社会構造を持っていました。この多様性こそが、エチオピアの歴史を彩る魅力の一つですが、同時に、権力闘争や社会不安の温床ともなりました。
1769年から1770年にかけて勃発したワガ・ゲレボの乱は、ま …
13世紀のブラジル、広大なアマゾン熱帯雨林に覆われたこの土地は、まだヨーロッパ人にとって未知の世界でした。しかし、1275年、歴史の歯車が回り始め、この地域は劇的な変化を遂げようとしていました。この年、ポルトガル船団がブラジルの海岸に到達し、「サンパウロの戦い」と呼ばれる出来事が起こりました。これは単なる海戦ではありま …
17世紀初頭、インド亜大陸は活気あふれる交易のハブとなっていました。ヨーロッパ諸国が東方のスパイスや織物を求めて熱狂し、その欲望はインド洋を越え、東西の文明を繋ぐ交易路を支配しようと競い合っていました。この激しい争奪戦の中、インドのムガル帝国とペルシアのサファヴィー朝の間で激しく対立が起こりました。
1630年代の「サ …
14世紀の南アフリカは、今日の国境とは異なる、様々な部族が居住する広大な地域でした。この時代、ズールー族やソト族など、強力な部族が互いに争い、領土や資源を巡って激しい戦いを繰り広げていました。そんな中、現在のスワジランドに位置する地域で、ある一人の指導者が台頭し、歴史を大きく変える出来事を起こすことになります。これが「 …
14世紀のパキスタンは、今日では想像し難いほどの活気と混乱に満ちていた。その中心には、中央アジアから台頭したティムール朝がいました。ティムール、すなわち「鉄槌」の異名を持つこの軍事的天才は、広大な帝国を築き上げ、その名を歴史に刻んだ人物です。彼の手腕は、戦場に留まるだけでなく、芸術や学問にも及ぶなど、多岐にわたっていま …
17世紀初頭、地中海は緊張の糸が張り詰めた状態でした。オスマン帝国、その拡大主義的な野望は依然として止まることを知りませんでした。東地中海における戦略的重要拠点であるキプロス島を、長年ヴェネツィア共和国が支配していました。この島は、オスマン帝国にとって、地中海の制海権を握る上で欠かせない pièces de …
17世紀後半から18世紀前半にかけて、ヨーロッパは科学技術革新の波に乗り、啓蒙思想が台頭するなど、劇的な変化の時代を迎えていました。一方で、自然災害による悲劇も頻発しており、人々の生活を脅かす存在でした。1693年1月11日、イタリアのシチリア島にあるパレルモを震源とする大地震が発生し、壊滅的な被害をもたらしました。こ …
11世紀のスペインは、キリスト教世界とイスラム世界が激しく対立する地でした。約700年も続いたイスラム支配下で、イベリア半島の大部分はアルアンダルスというイスラム王朝によって統治されていました。しかし、この時代にはキリスト教勢力も徐々に台頭し始め、イスラム支配からの解放を目指した動き「レコンキスタ」が本格化していきま …
16世紀のイギリスは、宗教改革の波が押し寄せる激動の時代でした。カトリック教会の教義や権威に疑問を呈し、プロテスタント運動がヨーロッパ中に広がる中、イングランドでも宗教的な変化が起きていました。その中心には、ヘンリー8世というカリスマ性と野心に満ちた王がいました。彼はローマ教皇の権威を認めず、自らの離婚を認めるためにイ …